【連載コラム】古の軍師が現代で恋のキューピットに!?第二話: 牛若丸登場

(第一話はこちら

2013年の夏の終わり、京都旅行を終えた私は垂井町に立ち寄りました。垂井町を訪れたのはこの時が初めてでした。禅幢寺にある、尊敬する竹中半兵衛公のお墓と、半兵衛公の息子の重門公が建てた城にも立ち寄ってみました。

その時竹中半兵衛公の子孫である友人、洋介さんは出張中でその場にはいませんでしたが、私のために、竹中半兵衛公の家臣の一人であった不破矢足氏と結びつきのある方と面会する機会を用意してくれていました。その不破さんは不動産の仕事をしており、彼の仕事が終わるまで1、2時間待つことになりました。私は昼食をとることにしましたが、残念ながら空いているレストランを見つけることが出来ません。(後で知ったことですが、レストラン街は線路の向こう側でした。)仕方がないので、スーパーマーケットのお惣菜コーナーで出来合いの総菜を買うことに決めました。

おにぎりとコロッケを選び、普段ならばコロッケのそばにある、小袋のウスターソースを探しましたが見当たりません。食料品コーナーに移動してソースを探し、見たことのないブランドのソースを見つけました。コーミという名古屋の会社のソースで、日本国産の野菜のみを使用し、人工香料や保存料は未使用、27種類のアレルギー物質も含まれていない、というのが売り文句でした。私は何の気なしにそのソースを買い、スーパーマーケットの食事コーナーで昼食を取りました。そのソースはとても美味しかったです。(このコーミソースが後々ある重要な関わりを持つことになります。このエピソードを覚えていてください。)

昼食の後、垂井町の観光案内所で不破さんと会うことが出来ました。彼はそこの委員でもあります。私たちはすっかり打ち解け、また垂井町を訪れるようにと誘われました。

初めての垂井訪問の翌年、2014年3月、東京で開催されたあるパーティで、昌代さんという綺麗な女性に出会いました。彼女はその日招かれていた15人の女性のうちの1人で、私はその日の出会いをそれほど気にとめてはいませんでした。

その年の7月、再び昌代さんに会う機会がありました。その時は他の大勢の女性はおらず、彼女と彼女の友人がひとりと、私の親しい友人とでホテルのブッフェで昼食をとり、その数時間後には場所を変えて私の大好物であるログキットの佐世保バーガーも楽しみました。そしてその日、私は昌代さんに恋に落ちました。しかし、それが一方的なものであると気付いていました。

それでも私は彼女に猛烈なアタックを始めました。昌代さんは私の弁慶活動に興味を持っているようでした。2014年10月に横浜の郊外で甲冑パレードの開催が予定されていました。予備の鎧を一式持っていた私は、彼女にとんぼの会のパレードに一緒に参加しないか尋ねてみたところ、見事承諾をもらえました。そのパレードの中で、観客は皆、弁慶の横に立っている鎧武者は牛若丸又は源義経公であると認識されるということに気が付きました。(牛若丸とは義経公の元服前の名です。)私の予備の鎧はシンプルなものだったので、それを纏った彼女はまだ若い頃の義経公・牛若丸のようでした。牛若丸は大変にハンサムな青年で、「女性のように美しい」と伝えられていたことも、彼女にとってラッキーなことでした。その場にいた多くの男性が彼女を牛若丸と呼び、鎧姿の美しい女性の写真を競って撮っていました。

これはその時の様子です。

まるで、古風な衣装に身を包んだ「美女と野獣」の写真です。この美しい女性の隣に立っているのが私で、弁慶の衣装を身に着けています。私が手にしている大槌に書かれている漢字はBFHと発音します。(アメリカ人にしか分からないジョークかもしれませんが。)

パレードに参加した彼女を見て、私に一つのアイデアが浮かびました。

皆が私達の姿から義経公と弁慶を連想するのならば、とんぼの会はそれを利用しない手はありません。何と言っても、義経公と弁慶は鎌倉ではとても人気がある人物です。そして何よりも、私が昌代さんに会う良い口実になります。今のところはただの友人ではあるけれど・・・。

■物語のおさらい

<物語の舞台>
岐阜県垂井町禅幢寺(竹中家菩提寺)

<歴史上の人物>
竹中半兵衛(戦国時代の名軍師)
武蔵坊弁慶(鎌倉時代の有名な僧兵)
源義経(弁慶の主君、鎌倉時代屈指の名将)

<現代の人物>
竹中洋介(竹中半兵衛の子孫)
ビル・ヤング(筆者、現代の武蔵坊弁慶役)
昌代さん(現代の牛若丸役)

筆者は元アメリカ海軍少佐で、海軍認定のテロ対策教官も務めてました。
現在は日本の企業や市民団体にテロ対策を教えるコンサルタントとして活躍しています。
彼のホームページはこちら:http://www.rhumbline.co.jp/

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